いずれ、中古住宅の価格はマイナスが常識になる
家いちば(http://www.ieichiba.com)”という空き家の買い手を自分で探すための掲示板サイトに、マイナス価格の空き家情報が掲載されました。
価格0円、さらに家の中の片づけ料として50万円差し上げます
” 10年前に父から相続しましたが移住する予定も無いまま現在に至っています。家の中が住んでいた時の状態のため、片づけ料として50万円差し上げます。できるだけ早めの処分を願っています。
【物件概要】
場所:秋田県大仙市太田町横沢字堀ノ内107-1、107-4
中里温泉900m 小学校900m
土地:586.42㎡・697㎡
建物:122.97㎡ S49年築 物置あり(125.59㎡、H元年築)
構造:5DK S49年築
現況:空き家
希望価格:0円 ※片づけ料と登記料は要相談でお願いします。”
不動産は毎年毎年固定資産税がかかるため、自ら居住するか、他人に貸さない限り、キャッシュフローはマイナスとなります。したがって、誰も借りてくれないような不動産は資産ではなく実質的には負債です。
建物は解体して処分することが可能ですが、それには多額の解体費用がかかります。加えて、解体後の更地の固定資産税は数倍に跳ね上がるため、誰も住まないボロボロの家は放置するのが経済的に合理的な選択となります。
もう一つの選択肢として売却がありますが、借り手がいないような不動産に価値はなく、固定資産税の存在によって実質的に負債であることから、物件価格をゼロにしても買い手は現れません。リンク先の事例は、価格をマイナスにして処分するという最終手段を取ったのでしょう。
売主さんはとても賢い方だと思います。今、50万円をしはらってでも処分できるのであれば、御の字と考えたのでしょう。物件の立地は秋田県。人口減少で縮退を続ける日本の縮図のような場所です。
これから日本中でこのようなマイナス価格の中古住宅が売り出されるはずです。はじめは珍しがられるかもしれませんが、そのうち中古住宅の過半がマイナス価格となり、いつの日か、中古住宅はマイナス価格が常識となる日が来るかもしれません。
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