空き家の未来予想図

空き家仲介促進へ 国交省、手数料の上限緩和検討(Yahoo!ニュース 産経新聞 2017-6-5記事)

” 現行の仲介手数料(税抜き)は(1)物件価格が200万円以下=価格の5%(2)200万円超から400万円以下=価格の4%+2万円(3)400万円超=価格の3%+6万円。告示改正では400万円以下の空き家取引を対象に、現状調査などの必要経費分を空き家所有者との仲介手数料の上限に加算できる案が有力だ。一方で過度の上乗せを防ぐため、仲介手数料との合計が18万円を超えないようにする方向で調整を進める。”

 4000万円のマンションを仲介すると、3%+6万円=126万円の手数料を売主・買主双方へ請求することができ、一回の仲介で252万円の報酬を得ることが出来ます。不動産屋とはこのような商売をしているのですが、そんな彼らが18万円の商売に手を出すでしょうか?18万円すべてが利益ではありません。仲介するには調査費用など様々な経費がかかります。

 不動産屋が手を出しやすいように手数料の上限を緩和するのは良いことですが、この政策に実効性があるかは疑問です。空き家の仲介件数は多少増加するでしょうが、それ以上に空き家は増加していくと考えています。

 こじかは空き家問題を次のように考えています。人口減少という回復の見込みがない需要の減少により中古住宅の在庫が増加しています。空き家となって長年放置された建物に価値はなく、むしろ解体費用が見込まれるため、建物は資産ではなく負債です。空き家の底地についても経済的な利便がないのに固定資産税という経費を払い続けなければならず、実態としては負債です。つまり、空き家問題とは地域社会が背負う不良債権問題だと考えます。

 空き家のオーナーや相続予定者は生前贈与を繰り返して資産を減らし、相続の対象を空き家だけにしてその時を待ちます。その時が来たら相続放棄。空き家という個人の負債が見事に付け替えられました。非倫理的な行為だと思います。しかし合理的であり多くの人が実行するでしょう。こうして所有者のいない空き家が大量に発生し、最後は朽ち果てるか解体撤去されて更地に戻ります。

コメント

このブログの人気の投稿

ピーチ、国内航空会社初のビットコイン直接決済サービス導入

楽天と不動産情報サービスのLIFULLが民泊事業

アパートローン、「プチバブル」の様相 相続対策、マイナス金利で急増