FinTechの本質

大前研一「FinTechの本質。新しい『信用』のルールが経済を数倍に拡大する(BLOGOS 2017-5-19記事)

” FinTech の本質は、送金、投資、決済、融資、預金、経理、会計といった従来のファイナンスのあらゆる分野について、テクノロジーを駆使して仕組みを再構築することです。言い換えれば、これまで金融機関が担っていた役割を、金融機関ではない企業が奪っていくということであり、既存の金融機関にとっては実に恐ろしい話といえます。”

 国家が信用と権力を背景に維持してきた現行の通貨制度はいずれ本当に消えてしまうのかもしれません。移行先の通貨がビットコインを代表とする暗号通貨になるのかどうか私にはわかりません。未来においても国家は権力を有しているでしょうから、権力が新通貨制度にどう影響するのか興味があります。

 日本銀行を頂点とする日本の銀行制度はどのように変化していくのでしょうか。少なくとも商業銀行が今のカタチを維持できるとは思えません。また銀行自信が自己の存在を否定し、FinTechの推進役になることはないでしょう。なぜなら、銀行とは実質的に国家の出先機関であり、そこで働く銀行員の行動様式やマインドは公務員以上に公務員的だからです。そもそもイノベーションを求められる存在ではなく、銀行法等に基づいて行政を実行する存在です。

 フリーやMFクラウド会計など、経理・会計の分野の進展も目覚ましいものがあります。法人の申告まで標準でサポートされれば、中小零細企業を相手にしているまちの税理士さん達は完全に食い扶持を失います。わずかに残る食い扶持は節税指南くらいだと思われますが、それも簡単なものなら人工知能の守備範囲。人間が介在する余地は時間とともに失われます。

 身近な例で想像しただけでもFinTechの破壊力は凄まじいものがあります。

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