地方出身者のマイホーム
地方出身者が作り上げたマイホーム神話という幻想 マイホーム価値革命(上)(文春オンライン 牧野 知弘 2017-8-12記事)
” マイホームを買う大きな理由は、賃貸住宅に居る限り、永遠に家賃を支払うだけで、自らの財産にはならないという考え方に基づくものだ。この「マイホーム=財産」という考え方は戦後の日本で顕著になった考え方といえる。
実は戦前までは都内で働く勤労者の多くは借家住まいだった。勤労者の所得が安定しなかったという面もあるが、人々は特に家を「所有」しなければならないという概念は持ち合わせていなかった。落語の世界においても熊さん八つぁんが登場するのは長屋の中だ。
ところが戦後高度成長期を迎えて、地方から大量の人々が東京、名古屋、大阪といった大都市に流入するようになると、人々は自らの生活拠点としての家を「借りる」だけでなく、「所有」することを意識するようになった。”
高度経済成長期からバブル期にかけて、なぜ人々がこぞってマイホームを求めたのか、その理由の一端が分かったような気がします。こじか自身も記事に登場する地方出身者そのものであり、ニュータウンの一戸建てではないけれど、東京都心まで電車で40分程度の駅近にマンションを購入しました。購入時期はバブル崩壊後10年ほど経過したあたりでした。バブル絶頂期に比べればだいぶ地価も低く、マンションは納得できる価格で購入することが出来ました。
マンションを購入して数十年の間に、マンション住人の顔ぶれも相当変わりました。ニュータウンと違い、住人が一様に年齢を重ねることはありません。つまり、購入したマンションは流動性を保っており、いつでも売れるし、いつでも貸し出せる状況です。
ネットや地元不動産屋からの情報を総合すると、現在の売却予想額は、ローン残高+頭金+αとなっており、大幅な含み益はないものの、マンションの資産価値は何とか保たれています。ただし、20年後、30年後も資産価値を保っているかはわかりません。一抹の不安はあります。
広い間取り、広い庭、複数の駐車場、緑に囲まれた環境・・・。正直、一戸建てに対する憧れはあります。妻や子供ともよくそんな話をすることがあります。無いものねだりというやつです。ただし、現実問題としては、駅近マンションを選択してよかったと思っています。職場までドアツードアで2時間もかかるような郊外に一戸建てを購入していたら、それこそ取り返しがつかない状況になったと思います。
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